カウル

レース用のバイクやツーリング用のバイクについている空気抵抗を軽減させるためのエアロパーツ。各部分によって細かく呼び分けることもある。シート部分はシートカウル、メーター周辺部分はアッパーカウル、エンジン周辺部分はアンダーカウルまたはサイドカウルと呼ぶ。

キャブレター

ガソリンを霧状にして空気と混合させる装置。キャブレターの中のパーツを交換することによって、各アクセル開度におけるガソリンの流量をコントロールできる。キャブレター内のセッティングパーツにはメインジェット、ジェットニードル、パイロットジェットなどがあり、それぞれアクセル全開付近、アクセル半開付近、アクセル全閉付近におけるガソリンの流量を調整する。セッティングの方向としては、気温が高い時、湿度が高い時、気圧が低い時にはガソリンの流量を少なくするのが基本。ベストのセッティングに対してガソリンの流量が多いと、エンジンの高回転の伸びがなくなり、少ないと不正爆発(デトネーション)や焼きつきが起きやすくなる。

クリッピングポイント

コーナリングをする際に、最もコースの内側に寄るポイントのこと。一般的にクリッピングポイントをコーナーの奥に取るか手前に取るかで、立ち上がり重視のコーナリングになるのか突っ込み重視のコーナリングになるのかが決まる。

サスペンション

バイクの姿勢を制御したり、路面からバイクへの衝撃を吸収したりするための装置。主にスプリングとダンパーで構成されている。スプリングは路面からの衝撃を吸収し、ダンパーはスプリングの伸縮する速さをコントロールしている。

シケイン

コース上で減速することを目的に作られた低速コーナーの通称。代表的な例をあげると、鈴鹿サーキットの最終コーナー手前の右・左のコーナー。菅生の最終コーナー手前の右・左・右のコーナーなど。最近のサーキット設計は、基本的に高速コーナーを減らしてシケインを増設するような方向に向かっているようである。

スプロケット

エンジンの回転をドライブチェーンを介して後輪に伝える駆動系パーツのひとつ。簡単に言うとチェーンを回すための歯車。スプロケットの歯の数を変えることによってバイクの最高速度をコントロールできる。特にエンジン側のスプロケットをドライブスプロケット、後輪側のスプロケットをドリブンスプロケットと言う。

スリップストリーム

長い直線で先行するライダーの真後ろを走ることで、自分にかかる空気抵抗を減少させて最高速度を稼いだり、先行ライダーを抜き去ったりするためのテクニック。特にパワーの少ない小排気量の車両には有効なテクニックであるが、多用すると、自分のバイクにあたる空気の量が減少することでラジエターの冷却効率が低下してオーバーヒートの原因になることもある。

スリップダウン

タイヤがグリップを失って滑りながら転んでしまう転倒のこと。スリップダウンにはブレーキング中にフロントタイヤがグリップを失って転倒する場合と、加速時にリアタイヤがグリップを失って転倒する場合がある。スリップダウンによる転倒の場合、ライダーやマシンに対するダメージは比較的少ない。

タイヤウォーマー

寒い時期のレースに、一周目からハイスピードで走行できるようにタイヤを温めるための装置。タイヤというものは高温にならないと本来のグリップ力を発揮しないものなので、暖かい時期のレースでも使用することがある。

チャンバー

2サイクルエンジンの燃焼ガス排気装置。4サイクルエンジンではマフラーと呼んでいる部分。2サイクルエンジンでは、チャンバー内で発生された圧力波を使って、燃焼ガスをエンジン内部から引き出したり、未燃焼ガスをエンジン内に閉じ込めたりしている。チャンバーの形状によって圧力波の発生するタイミングを変化させることができるので、2サイクルエンジンの性能はこのチャンバーの形状に大きく左右される。一般的に短くて容積の小さいチャンバーほど高回転型のエンジンになると言われている。

ハイサイド

リアタイヤがグリップを失ってバイクのバランスが崩れ、再びグリップが回復した時、その反動でライダーがバイクの反対側に飛ばされる事。バイクのバランスが崩れた時に、タイヤのグリップが回復しないままであればスリップダウンになる。このハイサイドによる転倒ではライダーやバイクが大きなダメージを受ける可能性が高い。

ハングオン

コーナリング時に腰をシートから内側にずらしてライディングするスタイル。体をバイクからオフセットしているので本当なら“ハングオフ”が正解。腰をシートからずらすことによって、ライダー・マシン系の重心を低い位置に移動できるため、実バンク角を稼げるという静的メリットと、バイクの挙動が乱れた時などにバイクとライダーが別々の運動をすることができると言う動的なメリットがある。決してヒザを路面にこすりつけることを目的としたライディングスタイルではないので勘違いのないように。

2サイクルエンジン

エンジンが1回転する間に、掃気・圧縮、爆発・排気の行程を行なうエンジンのこと。エンジンの構造がシンプルな上に、エンジンが1回転するごとに1回爆発するので、軽量・コンパクトながら高出力を発揮することができる。ただし、排気ガスと一緒にオイルを含む未燃焼ガスを排出してしまうと言うデメリットもある。2サイクルエンジンは構造上、ミッションと燃焼室を同一のオイルで潤滑することができない。そのため、燃焼室の潤滑を行なうためにガソリンにオイルを混ぜた混合燃料を用いる必要がある。この燃焼室潤滑用のオイルのことを一般的に2ストオイル (2ストロークエンジン用オイルの略、ストロークはサイクルと同意語) と呼ぶ。

4サイクルエンジン

エンジンの1回転目に吸気・圧縮、2回転目に爆発・排気の行程を行なうエンジンのこと。4サイクルエンジンでは、各行程を独立して行なうために吸気ポートと排気ポートにバルブを設置する必要がある上に、エンジンが2回転する間に1回爆発させるので、エンジンが重く大型で、同排気量の2サイクルエンジンに比べると低出力である。しかし、排気ガス中に未燃焼ガスが含まれることはなく、出力特性は2サイクルエンジンに比べるとスムーズである。また、ミッションと燃焼室が隔離されていないのでミッションオイルで燃焼室の潤滑もすることができる。

ミニバイクレースのクラス分けについて

現在、雑誌モトチャンプが後援しているミニバイクレースには、M12、SP12、SP50、FN、FP、OPENなどのクラスがあり、このクラスの中でもライダーのレベルに応じてフレッシュマンクラスやエキスパートクラスなどに分けられる場合もある。M12:市販されている12インチのホイールのバイク(NSR、TZMなど)をベースにしたクラス。保安部品を取り外す以外に変更していい個所は、CDI(電気系ユニット)、リアサスペンション、オイルポンプの取り外し、エアクリーナーボックスの取り外し、その他セッティングパーツ類など。このクラスではチャンバーの変更は不可。SP12:このクラスはチャンバーを変更してよいという項目以外はM12と共通。チャンバーの変更が可能なのでM12クラスのバイクよりはパワーが出る。SP50:市販されている17インチのホイールのバイク(NS50R、NS50Fなど)をベースにしたクラス。このクラスでもチャンバーの変更は可能。車体のサイズは125ccや250ccのバイクとほぼ同じなので、狭いカートコースでのレースはなかなかの迫力!FN:市販されているスクーターをベースにしたクラス。このクラスではM12同様チャンバーの変更は不可。コーナーでヒザをすりながら疾走するスクーター乗りなんてとっても面白い!FP:FNクラス同様市販されているスクーターをベースにしているが、チャンバーの変更が可能。街中でこんな速いスクーターはお目にかかれない!OPEN:80cc以下のバイクをベースにしたクラス。125ccの車体に80ccのエンジンを積んだS80クラスと言うものも存在する。また、このクラスでは110cc以下の4サイクルエンジンを搭載したバイクのエントリーも可能。

他にも意味の分からないバイクレース用語があったら質問してください。racerKAZUの知る範囲でなるべく分かりやすく解説します。

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