ライセンスを取ろう!

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レース用のバイク、ツナギを手に入れ、よし!練習走行だ!!

と思ったら、サーキットを走るにはライセンスを取る必要があるらしい。

仕方ないので、サーキットライセンスを取得するために講習会に参加することにした。

講習会にはマツと俺のほかに、

カリカリチューンのTZMを乗り回しているモカちゃんも参加することになった。

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講習会当日。

マツは前の日に飲み会があったらしく、真っ青な顔をしてサーキットにやって来た。

榛名のサーキットライセンスは簡単な講習を聞くだけで取得できるということだった。

俺達は講習会が行われるコントロールタワーの中に入った。

俺達3人のほかにも講習を受ける猛者どもは10人ほどいた。

俺達以外にもレースやろうなんて思ってるやつは結構いるもんだと感心した。

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しばらくすると、サーキットオーナーのオッサンがやってきて講習が始まった。

講習の途中で、マツは寒気を感じるとかで

モカちゃんが着ていたトレーナーを貸してもらって着ていた。

たぶん講習の内容なんて聞いていなかっただろう。

と言っても、講習の内容は群馬県出身のGPライダーの青木兄弟が

榛名のサーキットを走っていた頃の昔話と、フラッグの説明程度のものだった。

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講習が終わるや否や、マツは外に飛び出してゲロっていた。

その時、ゲロのとばっちりがモカちゃんのトレーナーを襲っていた。

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    「ご、ごめん。後で洗って返す…」

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と言ったマツを見るモカちゃんの表情は曇っていた。

普段温厚なモカちゃんの表情を曇らせる男・マツ。

もしかしたら、俺はとんでもない奴のチームメイトになってしまったのだろうか??

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とにかく、その日のうちにライセンスは発行された。

よしっ!これでサーキットを走れるぞぉ〜!!

と、気合の入る俺の隣では

友人のトレーナーにゲロを浴びせた男と

友人からトレーナーにゲロを浴びせられた男が

さえない表情をしていた・・・。

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