50ccも面白い!

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ミニバイクレースに参戦する準備は着々と進行している…。

と思っていたが、気がついてみたら「あの」きったないバイクの整備をしてなかった。

バイクはマツの家のガレージに置いてあったので

俺は完全にバイクの整備をマツに任せてしまっていた。

(後からそのことについて文句を言われたのだが…)

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そして、何とかバイクが走れる状態になったので

サーキットに行く前にかるく慣らし運転でもしようということになり

某S市の市民プール駐車場にバイクを持ち込んだ。

当時俺達がバイクを運ぶのに使っていた車は

マツの愛車「もぎ〜」だった。

もぎ〜は、普通の商用ワゴンって感じで高さがそれほどなかったため、

バイクは常に寝かせた状態で運んでいた。

バイクにとってはつらい輸送だったであろうが、

俺達にとってはバイクの積み下ろしはかなりの重労働だった。

まずはバイクの前輪を車の後部に乗せて、とりあえず突っ込めるところまで突っ込む。

そして俺がバイクをおさえつつ、マツは車の後部座席のドアに移動。

バイクをゆっくり寝かせながら少しずつ車の奥へと滑り込ませる。

最後にマツがバイクをおさえつつ、俺がバイクと車の床の間に

クッションがわりの毛布を突っ込む、といった具合だった。

初めはこの作業に何分も要していたが、

いつしか俺達は1分程度で作業を完了するようになっていた。

まさに神がかり的早業!

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そんな苦労をしつつ、運んできたバイクのエンジンに火を入れる時が来た。

ギアを1速に入れて押しがけ。

パイィィ〜ン!!

2サイクルエンジン独特のエキゾーストサウンドが響く。

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    「おぉっ!2ストの音だ!」

 

4サイクルエンジンのバイクにしか乗ったことのない俺にとっては新鮮な音に聞こえた。

そして、普段乗ってるバイクとはまったく違った小さなバイクにまたがり

かるくエンジンの回転を上げながらクラッチミート!

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    「おぉっ?ちゃんと走るじゃん!!」

    「おぉう?けっこう加速する!!」

    「おぉぉ〜!ちゃんと曲がるじゃん!!」

    「ぉぉぉおお!!こいつ、おもしれぇ〜っ!!!」

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「ぼろくて小さい割には面白いバイク」

愛車・NSR50のファーストインプレッションはこんな感じだった。

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市民プールの駐車場で、たっぷりとNSR50を楽しんだ俺達は

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    「こんな面白いバイクもあったんだぁ〜…」

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と、新たなバイクの楽しさを感じつつ

またあの重労働をこなしてから帰路についた。

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相変わらず、市民プール入り口の自動販売機には「メッコール」が入っていた…。

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