初レース 前編
.
いよいよこの日がやって来た。
1997年5月5日。俺達のデビューレース当日は快晴で
5月とは思えないほど暑かった。
また、この日はレースのビデオ撮影係としてシゲちゃんがサーキットに来てくれた。
.
当時のレース日は午前中に3時間の練習走行があって
決勝レースは午後から始まるというタイムスケジュールだった。
.
午前9時、走る準備が整いエンジンをかけてコースインしようとした。
その時…
.
パイィィ〜ン!パイィィ〜ン!パイッ・・ボボボ・・…プスンッ
.
あれ??…エンジンが止まってしまった。
もう一回エンジンをかけなおしてスロットルを開けてみると、
.
パイィィ〜ン!パイィィ〜ン!パイッ・・ボボボ・・…プスンッ
.
また止まってしまった。何度やってもエンジンが止まってしまう。
何だよ、これ〜!?さっぱりわかんね〜よ〜!!
今まで経験したことのないトラブルに困惑し、
キャブを開けてみたり、ガソリンを補充してみたり
何とかトラブルの原因を解明しようと努力したのに、エンジンはすぐに止まってしまう。
トラブルの原因が分からぬまま悪戦苦闘し、1時間が経過した頃
俺が入っているツーリングチームの関さんがレース観戦に来てくれた。
関さんにトラブルの状況を説明して、マシンを見てもらったら
.
「これが長すぎるんじゃね〜の?」
.
と、ガソリンタンクからキャブレターにガソリンを流すホースを指差した。
ふむ。確かに長い。
じゃあ、短く切ってみよう。 チョキッ
そしてまたエンジンをかける。
.
パイィィ〜ン!パイィィ〜ン!パイイィィィ〜〜〜ンッ!!!
.
な、なおったぁ!!!!
.
トラブルの原因は、燃料ホースが長すぎてガソリンがうまく流れてなかっただけだった(笑)。
このアホ臭いトラブルを解消するのに1時間半も費やしてしまい、
練習走行時間の半分を失うことになってしまった。
しかし、練習走行では前の年の秋に出したベストラップとほぼ同じタイムが出たので
まぁ、いいか。って感じだった。
(ホントはSPチャンバーをつけてたから、もっと速く走るはずだったんだけど…)
.
.